「か」からはじまる歯科用語

カウンセリングとは、悩みや問題を抱える方に対し、専門的な技術と知識で相談支援を行なうことです。歯科医院では、おもに初診時に問診として実施しています。とくにインプラントや歯列矯正といった大がかりな治療では、事前にカウンセリングとして相談と視診、治療概要などの説明を時間をかけて行なう医院がほとんどです。 患者さまの生活習慣なども伺い、ほかの病気の可能性と、治療のメリットだけでなくリスクについてもお伝えします。

過蓋咬合は、上の歯列が大きく被さって、噛み合わせが深くなりすぎている歯並びです。歯肉の炎症や顎関節症につながる可能性があります。
別名:ディープバイト

下の顎のことです。咀嚼筋をはじめとする複数の筋肉によって、開閉や水平移動などの動きが可能になっています。
対義語:上顎

下顎枝矢状分割術とは、顎矯正手術のひとつです。顎関節に近い下顎枝の一部を分割し、そのぶん下顎を後退させ引っ込めます。

下顎前突とは、下顎が前方に出て正しく噛み合っていない歯列のことです。遺伝的要素や、下の前歯を押す舌癖などが原因になります。歯列矯正で治療しますが、顎骨の形態異常による症例は、外科手術が必要になります。
別名:受け口、反対咬合

顎関節症とは、顎の関節とその周囲の筋肉の病気です。顎が痛んだり、口を開きづらかったり、顎を動かしたときに異音がする場合には、顎関節症の疑いがあります。
顎関節症には、さまざまな要因が絡んでいるケースが多く、一般的には噛み合わせの悪さや、歯ぎしりなどの良くない癖、補綴物の不適合などが考えられます。ストレスなどの心理的要因も影響します。 悪習癖改善の生活指導やスプリント療法、薬物療法などで治療します。

拡大装置とは、おもに子どもの矯正で使用される顎骨を広げるための装置です。
関連:急速拡大装置、緩除拡大装置

顎内固定装置とは、移動させる歯と固定源とが同じ顎にある矯正装置のことです。床矯正装置、マルチブラケット装置、急速拡大装置、リンガルアーチ(舌側弧線装置)、マウスピース型装置などが該当します。

顎偏位とは、上下の顎骨がずれていて左右非対称な噛み合わせです。顎変形症が原因の場合は、外科処置をすることがあります。

顎変形症とは、骨格的な要因で上顎や下顎が変形していたり、大きさが異常だったり、顎の位置がずれて噛み合わせが適切でない状態を指します。顔つきにも歪みが出たりします。咀嚼や呼吸、発声などに影響があります。原因は不明ですが、遺伝的要素や外傷、生活習慣が関係すると考えられています。
顎変形症の治療は、顎骨を適切な位置に移動させるために、歯列矯正と併せて、顎骨を手術する外科矯正治療を行ないます。保険適用が可能です。

過剰歯とは、余分な歯のことです。通常は乳歯が20本、永久歯は32本(親知らず4本含む)で、それ以上生えると過剰歯です。

下唇小帯とは、顔の正中で下の歯肉と唇の内側との間にある帯状のものです。付着位置の異常で、切除する場合があります。
関連:上唇小帯

顎間ゴムとは、歯列矯正で使用するゴムです。小さな輪ゴムのような形状で、エラスティックゴムともいいます。片方の顎の歯列だけに通すワイヤーと違い、上顎と下顎の矯正装置に引っ掛けて、出っ歯や受け口、オープンバイトなどで、ワイヤーだけだと歯を動かすのが難しい場合に使います。ワイヤー矯正やマウスピース型矯正治療で用いられます。
顎間ゴムは患者さま自身で指定箇所につけ、歯磨きや食事の際は取り外し、毎日交換します。

被せ物は、外傷などで破折したり虫歯治療で削った部分を補うために、歯に被せる補綴物(ほてつぶつ)を指します。クラウンともよばれます。削る量が少ない場合には、詰め物を用います。
被せ物の素材には、保険診療ではレジンや金銀パラジウム合金を使用します。より見た目が美しく、強度の高い素材での治療を希望する場合には、自費診療でセラミックを選ぶこともできます。金歯は目立つものの適合性が高く、虫歯になりにくいのが特徴です。

噛み合わせとは、上下の歯が接触したときの位置関係を指します。正しく噛み合えば問題ありませんが、歯の並びがデコボコだったり、出っ歯や受け口などだったりすると、矯正治療が必要になる場合があります。
噛み合わせが悪いと、食べ物をよく噛めず消化器に負担をかけます。歯間に食べカスや歯垢が溜まって、虫歯・歯周病のリスクも高まります。顎骨のバランスが崩れて、顎関節症や頭痛、肩こり、腰痛など全身に影響が及ぶことがあります。

咬み合わせとは、上下の歯を接触させたときの状態を示します。噛み合わせと表記したり、咬合(こうごう)ということもあります。咬み合わせのズレは口内だけでなく、全身の健康にも悪影響なので、矯正治療で整えましょう。

ガミースマイルとは、口を開いたときに上の歯肉が大きく露出し、目立つ口元のことです。笑顔がチャームポイントになりますが、コンプレックスに感じる方もいます。歯列矯正や歯肉の形成手術などで改善します。

カリエス(caries)とは、医学用語で虫歯のことです。虫歯の進行度を示す「CO〜C4」のCは、カリエスの頭文字です。

仮歯とは、歯科治療中に補綴物を入れるまでの間、暫定的に装着する人工歯です。見た目を良くし、噛み合わせの乱れを防ぎます。

カルテとは、診療記録のことです。カードという意味のドイツ語からきています。近年では、電子カルテの普及が進んでいます。

冠とは、歯全体を覆う補綴物のことです。外傷や虫歯のために大きく損なった歯を補います。
別名:被せ物、クラウン

緩徐拡大装置とは、小児矯正で使用する装置です。スローエキスパンジョンともいいます。弱い力で歯列弓を緩やかに広げるので、痛みが出にくい方法です。装着は1日12時間程度、期間は半年〜1年程度です。
装置には固定式のものと、可撤式(取り外し式)のものがあります。
固定式装置は臼歯に固定して設置し、コイル状に曲げたワイヤーの弾性を利用します。
可撤式装置はネジを回して、じっくりと力をかけていきます。
関連:急速拡大装置

感染根管は、歯根内の歯髄(神経や血管)が通る根管が、細菌に侵されている状態です。徹底的な清掃と殺菌が必要です。

感染根管治療とは、細菌に感染した根管内部を清掃する治療です。悪化した虫歯などで必要となります。
根管内の歯髄(神経・血管)は、歯に栄養分を供給しています。細菌に侵されると壊死し、放置すると感染が顎骨まで拡大し危険です。
感染根管治療では、汚染された歯髄をファイルという細い針のような器具で掻き取り、薬剤で消毒します。徹底的に殺菌しないと、再感染のリスクがあります。この治療によって、抜歯せずに済む可能性があります。


「き」からはじまる歯科用語

キシリトールは、果物などに含まれている糖アルコールの一種です。甘味料としては、シラカバやカシの木から精製されます。唾液の分泌や再石灰化の促進、虫歯菌による酸産生の原料にならないといった虫歯予防効果があります。

機能的矯正装置は、小児矯正で使用します。筋肉の動きを利用して顎の適切な発達を促し、バランスを整える装置です。舌側弧線装置、アクチバトール、バイオネーター、急速拡大装置、クワドヘリクス、バイヘリクスなどがあります。

キャナインは犬歯、リトラクションは後退を意味します。もっとも歯根の長い犬歯の後方移動は、矯正治療のポイントとなります。

急速拡大装置は、矯正治療で使用するものです。ラピッドエキスパンジョンともいいます。発達段階でまだ骨が軟らかい中高生までの時期に、短期間で強い力をかけ、正中口蓋縫合を左右に開いて、上顎を拡大させます。
関連:緩徐拡大装置

狭窄歯列弓とは、幅の狭い歯並びを指します。子どものころの指しゃぶりや口呼吸、低舌位などが影響して、歯が倒れて生えたり、顎骨が適正に発達しなかったりして起こります。小児矯正では、顎を拡大させる治療を行ないます。

矯正とは、歯科領域では不正咬合を治療するために歯並びを整えることを指します。
関連:矯正治療、歯列矯正

矯正歯科では、良くない噛み合わせを整える治療を行ないます。治療ではワイヤー矯正装置やマウスピース型矯正装置などを使用し、機能性と審美性を兼ね備えた歯並びにします。顎変形症が認められる場合は、口腔外科と連携して治療します。

矯正手術とは、上下の顎骨の大きさや状態に問題があり、歯列矯正のみでは改善が難しい場合に行なわれる外科的治療です。

矯正治療とは、問題のある歯並びを矯正装置を使って適切に整えるものです。見た目の改善と、咀嚼や発音といった口腔機能のトラブルの解消が期待できます。歯並びが改善すると、歯磨きがしやすくなって、虫歯・歯周病のリスクも下げられます。

矯正ワイヤーは、歯列矯正で使用します。歯にブラケットを接着し、そこに通した矯正ワイヤーの弾性を利用して歯を動かします。

頬側とは、歯の頬の側を指します。前歯の場合は唇側です。歯の裏側のことは、上顎は口蓋側、下顎は舌側といいます。

局所麻酔は、体の一部分のみの感覚を麻痺させます。全身麻酔と違って、意識を保ったまま治療を受けられます。
別名:部分麻酔

禁忌とは、避けるべきことです。例えば治療直後の飲酒など、治療効果を損ない、症状を悪化させかねない行為は禁忌です。

金銀パラジウム合金は、保険診療で行なうインレーやクラウンといった補綴物に使用される素材のひとつです。一般的に「銀歯」とよばれています。
JIS規格で金が12%、パラジウムが20%含有されることが定められており、ほかには銀が約50%、銅が約20%、微量のスズやインジウムなどが添加されています。
強度があり費用を抑えて治療できますが、歯肉の黒ずみや金属アレルギーを引き起こす可能性があるので注意が必要です。

金合金は、歯科治療では補綴物の素材に使用されます。金を主成分に、銀や銅、イリジウムなどが含まれています。

銀合金とは、60%以上の銀とインジウムなどの貴金属でできた合金です。インレーやクラウンなどの素材に使用されます。

近心とは、口内における歯の方向を指し示す言葉で、歯列弓の正中(左右の前歯の間)に近づく方向を意味します。

近心移動とは、歯を前歯の真ん中に向かって動かす歯列の調整方法です。逆に奥歯方向へ動かす場合は、遠心移動といいます。

金属アレルギーは、金属との接触で炎症が生じる疾患です。唾液や汗などに溶け出した金属イオンが人体のタンパク質と結合してアレルゲンとなり、湿疹や水疱などの症状を引き起こします。原因となる金属はニッケルやコバルト、クロムなどで、アクセサリーや食物中のミネラル、歯科金属として身近に存在します。
どの金属に反応しているかは、皮膚科にてパッチテストで診断できます。アレルギーが認められる場合には、メタルフリーの治療を行ないます。


「く」からはじまる歯科用語

口で行なう呼吸のことです。本来は鼻ですべき呼吸を口行なっていると、口内が乾燥して唾液が不足し、虫歯や歯周病になりやすい状態になります。歯並びの乱れや呼吸器疾患、アレルギーやアトピーの原因になる場合もあります。

グラインディングは、歯を強く噛み合わせてこする行為で、歯ぎしりのひとつです。ギリギリと音を立てるほど上下の歯に強い力がかかり、歯、補綴物、歯肉、顎骨に深刻なダメージを与えることがあります。
関連:タッピング、クレンチング

クラウンとは被せ物のことです。虫歯治療や外傷などで大きく歯を損なったときに、歯を修復する人工物です。保険適用の治療では、金属やレジンをクラウンにします。レジンは白色で目立ちにくいものの、強度が劣るので大きさによってはクラウンに不適です。
自由診療では、強度が高く天然歯に近い美しい見た目に仕上がるセラミック素材を選択できます。見た目は目立ってしまう金歯も、柔軟性があり二次う蝕しにくいというメリットがあります。

クラックとは、歯に入った亀裂のことです。歯冠表面のひびなのか、歯全体が破折しているのかによって治療は変わります。

クリアブラケットは、透明なプラスチック素材で作られた矯正装置です。歯列の表側に取りつけても、あまり目立たずに治療できます。

クレンチングは、歯を強く噛んで食いしばる行為で、歯ぎしりのひとつです。就寝中だけでなく、起きている間にも癖で無意識に噛み締めている場合があります。顎関節症などのリスクがあります。
関連:タッピング、グラインディング

クロスオーバーとは、歯列矯正の手法のひとつです。外から見えにくい奥歯には表側に、前歯には裏側に装置を設置するので、目立たずに治療できます。


「け」からはじまる歯科用語

外科的矯正とは、顎骨の大きさや形状、位置に骨格的な問題がある場合に行なわれます。矯正歯科治療だけでは回復が難しい顎変形症が該当します。治療は、歯列矯正と外科処置を組み合わせて行ないます。手術のときは口内から切開するので、顔に傷は残りません。
保険適用で外科的矯正を含む顎変形症の治療を行なえるのは、厚生労働省から「指定自立支援医療機関」と「顎口腔機能診断施設」に認定されているクリニックのみとなっています。

結紮とは糸などを結ぶという意味で、結紮線はブラケットに通したワイヤーを固定するために使う細いワイヤーです。
別名:リガチャーワイヤー

欠損歯とは、おもに外傷や虫歯などで抜歯となり、失われた歯のことです。生まれつき無い先天性の欠損歯もあります。

血餅とは、血液が凝固してできる餅のような塊です。血餅によって傷口は止血され、細菌の侵入も防止されます。治癒を妨げないよう血餅は無理に剥がさず、うがいや歯磨きはそっと行なうと良いでしょう。
別名:フィブリンクロット

犬歯とは、前から数えて3番目にある歯です。犬だと牙に相当する歯で、人間でも食べ物をしっかり噛みちぎれるよう、歯根が一番長くて丈夫な歯です。噛み締めたときに、前歯や奥歯にかかる負担を犬歯がやわらげています。
別名:糸切り歯


「こ」からはじまる歯科用語

口角とは、上下の唇が接合する口の両端のことです。真菌への感染やビタミン不足が原因で、口角炎を起こすことがあります。

口腔とは、口から喉までを指します。外界から体内へと食べ物を摂取する消化器官で、人間にとっては会話をするための大事なコミュニケーション器官でもあります。歯、歯肉、口唇、舌、唾液腺、粘膜などから成り立っています。

口腔筋機能療法は、口腔周辺の筋力を鍛える療法です。
悪い噛み合わせは、遺伝的要素と環境的要因が影響して起こります。環境的要因には、舌癖や指しゃぶりなどの口腔習癖が該当します。トレーニングで筋力をつけ、悪習癖の改善で、舌の位置を正しくし、顔貌や歯並びのバランスを整えます。いびきや口呼吸も改善できます。
検査で口腔筋機能療法が有効とされたら、通院してトレーニング方法を習得し、ご自宅で実践します。
別名:MFT

口腔外科は、口腔とそれに隣接する顎、顔などの組織で起こる先天的・後天的病気を対象に治療しています。
交通事故やスポーツによる外傷、顎変形症、埋伏歯や親知らずの抜歯のような外科的処置のほかに、口内炎などの口腔粘膜疾患やドライマウス、口臭症なども治療します。
口腔にできる腫瘍やびらんは、口腔がんの可能性があります。帯状疱疹やベーチェット病などの全身疾患が考えられる場合には、他科と連携して治療を進めます。

口腔習癖とは、お口周りで無意識に行なっている癖を指します。舌癖、指しゃぶり、歯ぎしり、爪噛み、頬杖などが該当します。
不正咬合などの原因になるので、改善のため生活指導や口腔筋機能療法(MFT)を行ないます。

咬合とは、上下の歯列を合わせたときの歯の位置や収まり具合を指します。咬み合わせということもあります。正しく咬み合わない状態は「不正咬合」とよばれ、歯や歯肉、顎骨に負担をかけます。歯列矯正で治療します。

咬合異常とは、上下の顎の歯が接触したときに正しく調和せず、位置関係やバランスが正常でないと認められるものを指します。審美的な治療は自費診療ですが、国が定めた疾患に起因する咬合異常は、保険適用で治療できます。

咬合器とは、顎の運動や噛み合わせを再現する装置です。シミュレーションしたい動きによってさまざまなタイプがあります。

咬合記録とは、上下の顎の位置関係を記録することです。シリコンなどの印象材やデジタル機器を使用します。
別名:チェックバイト

咬合採得は、入れ歯や被せ物を作製するときなどに、噛み合わせの状態(位置や状態、歯の生える方向など)を確認するために行ないます。

交叉咬合とは、部分的に噛み合わせが逆になる不正咬合です。クロスバイトともいいます。通常は下の歯列に上の歯列が被さりますが、水平方向にずれるなどして、反対咬合になる箇所が生じます。顎関節症などのリスクがあります。

口臭とは、口内や呼気から感じられる嫌なにおいのことです。
唾液の分泌量が減少している起床時や緊張時などの「生理的口臭」には、大きな問題はありません。においの強い食べ物は「外因性口臭」の原因になります。実際はそうでないのに臭いと思い込む「心理的口臭」もあります。
歯科領域では「病的口臭」が治療対象です。虫歯や歯周病、ドライマウスなどによる口臭を治療します。そのほかの内科的疾患が考えられる場合は、他科と連携します。

咬頭とは、歯冠部の尖っている部分です。噛み合わせて左右に動かしたときに、正常でない位置で衝突することを咬頭干渉といいます。

口内炎とは、口内の粘膜に生じる炎症の総称です。ウイルスや真菌への感染、刺激やけが、アレルギーなどがおもな原因となります。

咬耗とは、歯の表面が接触によってすり減ることです。歯ぎしりや食いしばりの癖、食事によっても生じます。

口輪筋訓練法とは、口輪筋という口の周りの筋肉のトレーニングです。口呼吸や不正咬合の改善、顔のたるみ防止にもなります。

骨延長法とは、人工的に骨折させ治癒する力を利用して、骨を増やす方法です。歯科領域ではインプラントを埋入する歯槽骨造成のためや、顎変形症などに対して行なわれます。延長した骨が安定するまで半年程度の時間がかかります。

骨ネジとは、矯正治療で使用されるチタン製の小さなネジのことです。歯槽骨に埋め込んで、歯列に負荷をかける固定源にします。
別名:アンカースクリュー

コバルトクロムは、歯科治療で金属床の素材などに用いられます。強度が高く、薄くて熱伝導率が良いのが特徴です。

コルチコトミーとは、皮質骨(歯槽骨の一部で硬い)を切除して行なう歯列矯正のひとつです。
別名:歯槽骨皮質骨切除術

根管とは、歯髄(神経や血管)が通っている歯根の中の管のことです。虫歯が重症化すると、根管治療が必要になります。

根管治療は、歯根内部まで虫歯が拡大した場合に行ないます。歯根には歯髄(神経と血管)が通る根管があり、感染した歯髄は除去しなければなりません。徹底的に根管を清掃・殺菌し、できるだけ天然歯を保存します。
関連:感染根管治療、歯内療法

混合歯列とは、乳歯と永久歯の両方が存在する歯列です。この歯列の時期は顎骨が発達するので、小児矯正が開始されます。

根尖性歯周炎とは、歯根の先(根尖)で起こる炎症です。
虫歯が悪化し、歯の内部の神経が侵されて壊死すると、歯の内部とつながっている根尖から歯周組織に感染が広がってしまいます。歯の奥に膿が溜まり、歯槽骨を破壊し、歯肉や顔が腫れて、強い痛みが出ます。レントゲンでは黒い影のようにうつります。
一度治療した歯が二次う蝕になったり、根管治療で抜髄した歯が再感染したり、外傷で歯が折れるなどして、根尖性歯周炎を引き起こすこともあります。

根面とは、歯の根の表面を指します。歯根膜に覆われ、歯槽骨に植立している部分で外からは見えませんが、歯周病や加齢で歯肉が退縮すると、露出してしまうことがあります。この部分が虫歯になることを「根面カリエス」といいます。

根面カリエスとは、歯根表面に生じた虫歯のことを指します。
歯根表面は、セメント質で覆われています。歯冠部のエナメル質よりも、虫歯菌の産出する酸に溶かされやすい傾向があります。セメント質は薄いので、感染が内部の象牙質や歯髄にも広がりやすく危険です。
歯肉が退縮する中高年から高齢者に、多く見られる病気です。歯周病で歯肉が下がっている場合にも、注意が必要です。歯垢・歯石と感染部を除去し、レジンなどで修復します。