「た」からはじまる歯科用語

ターミナルプレーンとは、上下顎第二乳臼歯の遠心面の位置関係のことです。永久歯の歯並びに影響する第一大臼歯の生え方が、ターミナルプレーンから予測できます。垂直型、近心階段型、遠心階段型の3タイプあり、垂直型が正常な噛み合わせになる可能性が高いです。

第一小臼歯とは、前から数えて4番目、犬歯の奥に位置しています。矯正治療で抜歯対象になることが多い歯です。

第一大臼歯とは、前から6番目に位置する、最も咬合力の高い永久歯です。生えてくる年齢から「6歳臼歯」ともよばれます。

対合歯とは、噛み合っている向かい側の歯のことです。歯を失ったままにしておくと、対合歯が伸びてきてしまう場合があります。

第三大臼歯とは、前から数えて8番目、もっとも奥に位置する歯です。思春期を過ぎたころから生え始めますが、1〜3本だけ生えたり、まったく生えてこないこともあります。斜めや横向きに生えて、虫歯や炎症が起きる場合には抜歯します。
別名:親知らず、智歯

第二小臼歯とは、前から5番目に位置する奥歯です。先天的欠如になることが、比較的多い歯だといわれています。

第二大臼歯とは、前から7番目に位置する奥歯です。生えてくる時期から「12歳臼歯」という名前でもよばれます。

ダイレクトボンディングとは、補綴治療のひとつです。保険適用のコンポジットレジンにセラミックの粒子を混ぜた「ハイブリッドセラミック」を使用します。
詰め物や被せ物は通常、歯型を採取して作製しますが、ダイレクトボンディングでは、直接歯に盛り付けて形成します。虫歯を削る量が抑えられ、短期間で治療できます。金属アレルギーでも適用可能です。 また矯正装置のブラケットを、直接歯に接着することを「ダイレクトボンディング法」ともいいます。

唾液検査では、唾液の性質と量、細菌の種類と数などを調べられ、虫歯リスクがわかります。生活改善や予防に役立てます。
別名:サリバテスト

脱灰とは、口内が酸性に傾くことで歯のエナメル質からミネラル成分が溶け出す現象です。口内では、唾液の作用で歯が修復される再石灰化と脱灰が、繰り返し起こっています。糖分が残留するなどして虫歯菌のはたらきが優位になると、脱灰から虫歯に発展します。

タッピングとは、上下の歯を合わせてカチカチとさせる行為で、歯ぎしりのひとつです。 食いしばりより歯にかかる力は弱いですが、エナメル質のひびや、被せ物の破損につながる可能性があります。
関連:グラインディング、クレンチング

短期矯正とは、時間をかけずに歯を移動させる矯正治療のことです。治療期間が短縮される方法には、歯槽骨皮質骨切除術(コルチコトミー)などの外科処置や、セルフライゲーションブラケットによるワイヤー矯正などがあります。


「ち」からはじまる歯科用語

知覚過敏症は、冷たい食べ物や歯磨きの刺激でしみたり、痛みを感じたりする状態です。
歯の表面は硬いエナメル質で覆われていますが、歯ぎしりですり減ったり、何らかの要因で歯が破折したり、虫歯で歯が溶けたりすると、内部の象牙質が露出します。刺激が神経に伝わりやすくなって知覚過敏症を引き起こします。老化による歯肉の退縮も原因となります。
予防のためには歯垢をしっかり落とし、歯肉を痛めない適切なブラッシングを心がけるのも重要です。

智歯とは、親知らずのことです。専門的には第三大臼歯とよばれます。真っすぐ生えてこないケースが多く、不正咬合や虫歯の原因になります。

チタンは、耐食性や強度が高い金属です。チタン製の人工歯根は生体親和性に優れ、顎骨と強固に結び付きます。金属アレルギーが出にくいのも特徴です。

チタン合金とは、チタンを基本にアルミニウムやバナジウムなどを混ぜ合わせ、純チタンよりも強度を高めたものです。

中切歯とは、歯列の中央に位置する前歯のことで、上下4本あります。門歯とよばれる場合もあります。中切歯の異常は目立つため、審美面にも配慮した治療が求められます。

チューブとは、ワイヤー矯正で最も奥に設置する装置のひとつで、エンド(ワイヤーの端)を固定します。

超音波スケーラーとは、歯石除去で使用される器具です。超音波による微振動で歯石を破砕し、取り除きます。

チンキャップとは、下顎の成長を抑制する矯正装置です。小学校低学年ごろの反対咬合(受け口)の治療に用いられます。


「つ」からはじまる歯科用語


「て」からはじまる歯科用語

ディープバイトとは、下の前歯が見えないほど深く噛み合うタイプの不正咬合です。上下の顎骨のバランスの悪さや、倒れて生えた下の永久歯などが原因となります。食いしばってしまうため、顎に負担がかかります。
別名:過蓋咬合

挺出とは、欠損歯と噛み合っていた歯が、元々の位置から飛び出したり移動したりすることです。歯冠の大部分を失った歯に対して行なう、歯肉から引っ張り出す矯正治療は、歯根挺出(エクストリュージョン)といいます。

ディスキングとは、歯列矯正で歯間を適切に確保するために、エナメル質を最大5mm程度削ることです。
別名:ストリッピング、IPR

ディボンディングとは、矯正装置を取り外すことです。ワイヤーを抜き取り、歯の表面に接着していたブラケットを剥がします。

出っ歯とは、上の前歯や上顎自体が前に突出している不正咬合です。前歯のけが、虫歯・歯周病のリスクなどがあります。
別名:上顎前突

デンタルIQとは、さまざまな歯科疾患や治療・予防の知識など、口腔の健康に関する知識レベルを示します。

デンタルローンとは、目的が歯科治療費に限られた立替払制度です。ローン会社から治療費の全額を借り入れ、手数料を加えて分割で返済します。相場より金利が低いのが特徴です。矯正治療やインプラントによる治療など、高額な自費治療で利用されます。

天然歯とは、乳歯や永久歯など、天然に生えている自分自身の歯のことです。入れ歯やインプラントなどの天然でない歯は、人工歯とよばれます。


「と」からはじまる歯科用語

動的治療とは、歯列矯正において歯を移動させる治療行為を指します。歯が目標の位置まで動いたら動的治療は終了し、歯列を安定させるための保定治療に入ります。

頭部X線規格写真とは、矯正治療の診断や、経過の確認に使用されるレントゲン写真です。規格に則って撮影されるので、治療の前と後で、顎骨や歯列がどのように変化したか、比較しやすいのが特徴です。
別名:セファログラム

動揺とは、生えている歯が動くことを指します。健康な状態でも歯はわずかに動きますが(生理的動揺)、歯周病で歯槽骨がダメージを受けると、歯は通常よりぐらつき始めるので、歯周病の進行度を調べるために、歯の動揺度の検査も行なわれます。

トータルフィーとは、総額という意味です。治療にかかる費用の総額を最初に提示し、追加料金を請求しないことを「トータルフィーシステム」とよんだりします。

ドライマウスとは、唾液の分泌量が減少し、口内が乾燥した状態になることです。ストレスや口呼吸などの生活習慣、薬の副作用や更年期障害のほかに、糖尿病、シェーグレン症候群などの疾患が原因となる場合があります。
口内の乾きによって、喋りにくさや食べ物を飲み込みづらく感じることがあります。悪化すると舌がひび割れて痛むこともあります。唾液の自浄作用の低下で、口臭の発生や、虫歯・歯周病が悪化するリスクもあります。
別名:口腔乾燥症

トルクとは、ねじる方向の力を意味します。矯正治療では、歯を回転させるように動かしたい場合に、装置でトルクをかけます。