インビザライン・ファーストと他の小児矯正比較

インビザライン・ファーストと他の小児矯正の比較表

インビザライン・ファースト拡大床
時期ファーストの適応時期乳臼歯の植立が良好
使用時間16h家で使用
拡大前方、側方、後方拡大  側方拡大
拡大様式傾斜+傾斜=歯体移動傾斜移動
歯列の整列整列可能ブラケットの使用がいることも
受け入れ95%以上使用してくれる使用時間が不十分なことも
適合状態適合良好歯冠長によって不適になりやすい

従来の小児矯正との違いについて

従来の小児矯正では、必要に応じて様々な装置を駆使して早期治療にあたっていましたが、インビザライン・ファーストの登場した現在、当院では、インビザライン・ファーストのみで殆どの症例(上顎前突、下顎前突、開口、異所萌出、萌出スペースの不足、埋歯)を対応可能になっています。

従来の小児矯正との違い

1. 早期治療と本格矯正が同じ装置で治療可能です。
2. 乳歯の歯根の状態に関わらず治療が可能です。(条件に当てはまれば)
3. 装置作製時のアルジネート印象がありません。
4. 治療前に治療のゴールが見えます。
5. アタッチメントの存在によって、臨床歯冠が短い欠点が補えます。
6. 乳歯のリーウェイスペース(3~5番目乳歯の横幅合計と、同部位永久歯の横幅合計の差)が有効活用できます。
7. 歯列弓の拡大と歯の整列が同時に出来ます。
8. 下顎の前方誘導効果による咬合の改善が出来ます。
9. 出っ歯の骨格の是正が出来ます。
10. 顎間ゴムによる咬合の改善が出来ます。
11. 咬合力による、臼歯部の圧下に伴い開咬の改善が出来ます。
12. 顎間ゴムによる、片側の後方移動が可能となり左右差の改善が出来ます。
13. 上下のアーチの調整により、側方の交叉合にも対応可能です。
14. 骨性癒着に対しても、動かさないことによって対応可能です。
15. 異所萌出など萌出スペース不足にも対応可能です。
16. 過度の萌出スペース不足にも対応可能です。
17. Ⅲ級ゴムによる、反対合の治療も可能です。
18. マウスピースで全体を覆うため、顎の偏位を起こしにくい特徴があります。
19. 先天欠如歯がある症例でも整列が可能です。

インビザライン・ファーストと他の小児矯正では何が違うのでしょうか

そもそも「インビザライン・ファースト」とは?

インビザライン・ファーストは、まだ成長過程にあるお子様のための、透明に近く目立ちにくいマウスピース矯正です。アライン・テクノロジー社は、1997年から独自技術の研究と改良を続けてきました。

インビザライン・ファーストは、乳歯と永久歯が混在している、一般的に6~10歳のお子様が対象ですが、実際の適用条件は身体年齢でなく歯の年齢に基づきますので、まずはご相談ください。 

これまでの小児矯正との違いは?見た目だけ?

これまでの小児矯正では、歯の並ぶための全体的なスペースを作る(拡大する)ための「床矯正(拡大床)」や、永久歯が萌出してくるスペースが埋まらないようにするための「TPA(トランスパラタルアーチ)」や「LIA(リンガルアーチ)」などがありましたが、マウスピース型で目立ちにくいインビザライン・ファーストと比較した時に、たしかに、その見た目は違います。ただ、インビザライン・ファーストには、見た目だけではない、決定的なメリットがあります。

これまでの小児矯正=基本的に「2STEP」の治療が必要

これまでの小児矯正では、まずはじめに拡大床などの小児「1期治療」用の矯正装置を使用して、「歯の並ぶためのスペースを確保するため」の矯正治療を行い、その次に「歯をキレイに並べるため」の矯正治療を行うという2段構えでした。

①まずは歯の並ぶスペースを確保する

1期治療では、専用の矯正装置を使用し、歯の並ぶスペースを確保するため拡大します。これらの装置は、上顎または下顎のアーチを広げ、永久歯の並ぶためのスペースを確保します。子供の場合、顎の骨、顎顔面が成長していますので、その成長の力を利用することができます。

治療の状態によっては、次の2期治療をしなくても良くなる場合もあります。

②次に歯をキレイに並べる

その後は、成人と同様の治療となります。一般的にワイヤーとブラケットを用いた矯正治療となります。歯をキレイにならべていきます。治療後は後戻りしないように保定を行います。

インビザライン・ファーストでは「1STEP」で治療が可能

インビザライン・ファーストでは、マウスピースを使用して、顎の大きさを広げながら、同時に歯並びを綺麗に整えていくことができます。

従来の小児矯正の様に、顎の大きさを広げてから、歯並びを整えるという二段階のステップを踏むことが無いので、治療期間が気になる方や、せっかく慣れてきた矯正装置が変わったりすることが煩わしい方にもおススメといえます。 

治療例

歯の並ぶスペースを広げつつ、早く乳歯が抜けてしまった部分は、永久歯の萌出スペースが無くならないように確保。その上で、同時に歯を整えていく。このようなことが同時にできてしまうのも「インビザライン・ファーストならでは」といえます。

治療費やメリットを考えてベストな治療方法を

インビザライン・ファーストは、治療費だけで見るとこれまでの拡大床などよりも費用は高くなります。しかし、取り外し可能な目立ちにくい装置で治療できるため、学校などでも治療していることが目立ちにくいメリットがあり、2度にわたる治療を矯正装置を変えて行う必要が無く、問題が無い限り初めから終わりまでマウスピースだけで治療ができ、「拡大」「萌出スペースの確保」「歯を並べる」といったことが一つの矯正システムで一気通貫で完結できる点など、様々なメリットがあります。