「ま」からはじまる歯科用語

埋入とは、インプラントによる治療で顎骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込むことです。埋入した人工歯根は、数ヵ月で顎骨と結合します。

埋伏過剰歯とは、歯肉に埋もれたままになっている本来は存在しないはずの歯です。通常、乳歯は20本、永久歯は28本(そのほか親知らずが0〜4本)です。埋伏過剰歯は不正咬合などの原因になるため、歯肉を切開して抜歯します。

埋伏歯とは、顎骨に埋まったまま歯の全体、または一部分が生えてこないものです。ほかの歯を圧迫したり、炎症を起こしたりします。抜歯や歯列矯正で治療します。好発部位は親知らずです。

マウスガードとは、スポーツ中に装着するマウスピースのことです。競技者同士が激しく接触するスポーツでは、外傷などを防ぐために、口内に装着が義務付けられています。

マウストレーとは、ホームホワイトニングで歯列に装着するマウスピースのことです。マウストレーに薬剤を注入して、一定時間歯列にはめます。

スポーツなどを行なう際、お口にはめて使用する医療器具です。とくにアメリカンフットボールやボクシングなどの激しい衝突があるコンタクトスポーツでは着用が義務付けられています。歯を保護するだけでなく、顎への衝撃をやわらげ、口腔内のけがや脳震盪を予防します。
スポーツ用の器具以外でも、ホームホワイトニングや歯ぎしり防止でマウスピースを使用することがあります。歯列矯正には、マウスピース型矯正装置もあります。
別名:マウスガード

マウスピース型矯正装置とは、歯列矯正用にオーダーメードで作製するマウスピースのことです。歯の移動にともない、マウスピースを取り替えて歯列を整えていきます。装置は薄くて軽く透明なので、見た目を気にせずに治療できます。適用できない不正咬合もあります。

マッシュルームアーチとは、舌側矯正で設置するワイヤーの描く形のことです。舌側は臼歯の厚みのぶん、表側矯正よりもワイヤーを曲げて取りつけなくてはなりません。その複雑な形状をマッシュルームアーチ、またはクリスマスツリーアーチとよびます。

摩耗とは、こすられて減ることです。強すぎるブラッシングや研磨剤の使いすぎなどで、歯が削れてしまうことを摩耗症といいます。

マルチブラケットとは、矯正治療で使用する装置です。すべての歯の表面に歯科用接着剤でブラケットを取りつけ、そこにワイヤーを通して負荷をかけることで歯並びを整えます。歴史が長く臨床実績の豊富な矯正方法で、あらゆる症例に対応可能です。
金属の装置だとどうしても口元が目立ってしまいますが、ブラケットを透明なプラスチックやセラミックにしたり、ワイヤーを白色に変更したりすると、審美面にも配慮して矯正治療を行えます。

マルチリンガルブラケットとは、歯の舌側の表面にブラケットを接着する矯正治療の方法のひとつです。口を開いても見えにくいのが特徴です。


「み」からはじまる歯科用語

ミニスクリューとは、歯列矯正で骨に埋めて固定源にするチタン製の小さなネジです。
別名:アンカースクリュー

ミニマルインターベンション(Minimal Intervention)とは、歯を削る量を最小限に留めて、将来的な歯の寿命を延ばそうという治療方針です。


「む」からはじまる歯科用語

虫歯とは、ミュータンス菌をはじめとする虫歯菌が、食べ物に含まれる糖分をもとに作り出す酸によって、歯を溶かしてしまう感染症です。歯のミネラルが溶け出す脱灰から始まり、歯の表面のエナメル質が侵食され、そのうち内部の象牙質にまで穴が空いて、強い痛みも発生します。こうした虫歯の進行度は、CO、C1、C2、C3、C4の5段階で表されます。
ごく初期の段階を過ぎた虫歯は自然治癒しないので、歯科治療が必要です。
別名:う蝕、カリエス

無髄歯とは、根管治療で歯髄(神経や血管)を取り除いた歯のことです。歯に栄養が供給されなくなり、変色してしまう場合があります。
対義語:有髄歯


「め」からはじまる歯科用語

メタルブラケットは、金属でできた矯正装置です。金属なので強度があり壊れにくいですが、口元で金属色が目立ってしまうというデメリットもあります。

メタルフリーとは、金属を使用せずに行なう歯科治療を指します。保険診療で認められる詰め物や被せ物などには、金銀パラジウム合金を使用しますが、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
メタルフリー治療では陶材であるセラミックやプラスチックを採用し、金属は一切使用しないため、金属アレルギーの方にも問題なく対応可能です。唾液に溶け出す金属イオンによって起きる、歯肉の黒ずみも防げます。
関連:金属アレルギー

メタルボンドとは、内側が金属で、外側がセラミックで作られた被せ物や詰め物のことです。耐久性に優れていて、強い圧力のかかる奥歯にも問題なく適用できます。表面はセラミックなので比較的自然な仕上がりとなりますが、透明感がないためオールセラミックには審美面で劣ります。
金属を使用するため、金属アレルギーの方には適用できません。唾液に金属イオンが溶け出して、歯肉を黒ずませる可能性があります。保険適用外の治療となります。

滅菌とは、ウイルスや細菌を死滅させ、限りなくゼロに近い状態にすることです。ピンセットやミラーなどの医療器具は、高圧蒸気滅菌機(オートクレーブ)で滅菌します。

メラニン色素とは、皮膚や髪の色を作っている色素で、メラノサイトという細胞で作られています。皮膚に何らかの刺激があった場合に、細胞を守るために生成されます。例えば日焼けという現象は、紫外線による刺激に反応しメラニンが作られて起きたものです。
歯科領域では、喫煙や口呼吸などによる刺激が原因でメラニン色素が増加し、歯肉が黒ずむことがあります。薬剤を塗布して歯肉の表層を剥がす「ガムピーリング」などで治療します。

メンテナンスとは、治療後に歯科医院で受ける定期的な検診とクリーニングを意味します。
虫歯・歯周病のチェックや、補綴物の状態確認をして、歯垢・歯石を取り除きます。必要に応じて、ブラッシング指導や生活指導も実施します。こうしたメンテナンスで、病気のリスクが格段に減らせます。 とくにインプラントによる治療や歯列矯正などのあとは、良好な状態を長期間保つために定期的なメンテナンスが重要です。個人差はあるものの数ヵ月に1度の頻度が目安です。


「も」からはじまる歯科用語